大阪市は27日、市のヘイトスピーチ抑止条例に基づき、ヘイトスピーチと認定された2件について、発信者の氏名をそれぞれ公表した。市によると、同様の条例を持つ自治体で、発信者の氏名公表に至ったのは全国で初めてだという。
市が公表した氏名は、インターネットまとめサイト「保守速報」運営者の栗田香氏と、政治団体「朝鮮人のいない日本を目指す会」の川東大了氏。市は7月にヘイトスピーチと認定し、有識者でつくる審査会が公開の議論を続けていた。
審査会は栗田氏について、ネット上の掲示板に投稿された記事を一定の思想や考えの下で編集するなど「基本的人権を制限することを目的としている」と認定。「保守速報」のまとめ記事には「朝鮮人に市の施設を使わせるなよ」「気に入らないなら日本から出て行けよ」といった表記があり、記事を読んだ第三者のコメントで表現の内容が増幅されたとした。
市によると、川東氏は2016年に街頭活動で「朝鮮人を見れば変態と思え」といった発言を繰り返していたという。録音した音声ファイルをネット上に投稿するなどしたことに対し、審査会は「脅威を繰り返し惹起(じゃっき)させる」と指摘した。
条例では、市がヘイトスピーチと認定すれば、氏名や発言内容を原則公表すると定めている。ただ、これまで認定された6件はいずれもネット上の投稿で、発信者が特定できずにハンドルネーム(ネット上の名前)の公表などにとどまっていた。通信の秘密を定めた電気通信事業法などが壁になり、氏名の特定に至らなかったためだ。
今回は申し出人から情報提供があった上、川東氏は音声内で自分の氏名を繰り返していたことなどから特定できたという。
前大阪市長の吉村洋文・大阪府…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル